2016.11.9 閲覧数:2,023
以下、アメリカンドリームと業務提携関係にある、危機管理の専門企業、日本アイラック
からの注意喚起情報です。具体的な助言も書かれていますので、ご一読ください。
AD留学生の皆さんは、末尾に書いてある私のコメントにも目を通してみてください。
(株)アメリカンドリーム
代表取締役 吉川浩司
======= I-rac Japan wrote =======
<日本アイラック危機管理情報>
○テロ発生リスクに対する注意情報⑧(2016.11.07)
本邦外務省は11月4日付で以下の「スポット情報」を発出しました。
◎イスラム過激派組織「ISIL(イラクとレバントのイスラム国)」
指導者の声明発出に伴う注意喚起
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2016C295.html
イラク国内にあるIS支配地の中心都市モスルへのイラク軍の進行が
進むなかIS指導者が声明を出し、テロを呼びかけたことが先週から
各メディアで報じられています。この声明に呼応した具体的な脅威は、
今のところ確認されておらず、外務省も上記注意喚起の中で具体的な計画は
確認されていないと述べていますが、アメリカ大統領選挙が実施されることもあり、
各国においてテロに対する警戒を強めていることも報道されています。
以上を総合的にみて、当面は引き続きテロに対する注意を継続する
必要があることから、改めて以下注意喚起をされることをおすすめ
いたします。
◆日本アイラックからの注意情報
テロの発生要因は国や地域で異なるため、テロのリスクを一概に
ひとまとめにすることはできません。海外渡航にあたっては当該
渡航先国においてどのようなリスクがあるかを知った上で出発
されるのが望ましい状況です。また、イスラム過激派組織の主張に影響を受け、
実際には組織的繋がりを持たない個人が銃撃などの犯行に及ぶ、
いわゆるローンウルフ(一匹狼)型と思われる犯行も増えています。
以上のことから、海外へ学生や教職員を派遣されている大学、
及びこれから派遣される予定の大学は、テロの脅威が継続している
ことを踏まえ、テロ事件や不測の事態に巻き込まれることのないよう
自ら最新情報の入手に努めることを促すなど、以下を案内される
ことをおすすめします。
【テロの標的となりうる場所】
・政府・軍・警察関係施設
・観光地や劇場、宗教関連施設
・不特定多数が集まる場所(空港や駅、バスターミナル、市場など)
・欧米資本やチェーンのホテルや大型ショッピングモール
【日本アイラックから発砲や爆発に遭遇した場合の基本行動】
◆発砲音や爆発音が聞こえたらすぐに伏せる
→ 伏せずに移動すると銃撃の標的になる等のリスクあり
◆伏せたまま頑丈な壁などの陰に移動し隠れる
→ その後周囲の状況を確認する
→ パニックに巻き込まれないように
◆移動しても危険が無いことが確認できたら、速やかにその場を
離れて安全な場所に移動する
【日本アイラックからの注意情報】
①国や地域によって起こりうるテロのリスクは異なるため、
渡航先のテロに関する情報を予め自身でも把握する。
外務省海外安全HP:http://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
②滞在中、公共交通機関を利用する場合は周囲の状況や
安全確保に十分注意を払う。
③イスラム過激派等によるテロの標的となりやすい宗教関連施設
(寺院、教会など)、軍や警察関係施設にはできる限り
近づかない。これらの施設を訪問(利用)する場合は
極力長時間留まらない。また、主要なホテルの入口や
フロント等の不特定多数の人が立ち入る場所にもできる
だけ長時間留まらない。
国によってはショッピング・モールや市場などの不特定
多数が集まる場所も注意が必要な場合がある。
④空港及び駅では、テロを防止するため監視パトロールや
セキュリティが強化され、これに伴い空港到着までの幹線
道路や鉄道駅などでの検問、空港到着後のセキュリティ・
チェック(荷物、身体検査)の実施が予想されるため、
利用予定航空便などに乗り遅れることがないよう、出発
時刻の3時間以上前までに空港に到着するなど、余裕を
もった行動を心掛ける。
⑤万が一テロ等の不測の事態が発生した場合に備え、家族や
大学(担当者)との間での緊急連絡先を再確認しておく。
【参考情報】
・迅速に海外派遣留学生の安否が確認できるよう、弊社危機
管理サービスの登録に自動付帯する安否確認アプリ
『アイ・ファインダー』(無料)の設定をするようご案内
ください。予め設定されれば、緊急時にクラウドの専用
サイトから大学担当者からも安否確認が実施可能です。
⑥テロ事件等に遭遇した場合には、現地の日本国大使館又は
総領事館に至急連絡を入れる。
不測の事態に遭遇した際には、大使館からの緊急連絡・
指示を受けることができるよう準備しておく。
そのために渡航前に外務省の「たびレジ」または「在留届」
を必ず登録する。https://www.ezairyu.mofa.go.jp/
⑦テロ事件発生後は政府当局により治安の強化が図られ、
不用意な行動が治安当局に誤解を招く恐れがあるため、
夜間の外出や単独行動を極力しないよう行動に十分注意する。
〇外務省の在外公館リスト(国別)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/zaigai/list/index.html
※渡航先を管轄している在外公館を必ず確認して下さい。
※外国籍の方は国籍に応じ渡航先の在外公館をご自身で確認下さい。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
日本アイラック株式会社
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アメリカンドリームの吉川です。
昨日、最近仕事で何度かニューヨークに出張しているADのOGから問い合わせがありました。
大統領選挙の1週間後にニューヨーク出張が入っているとのことで、テロの危険性と
ニューヨークの厳戒態勢についての照会でした。上記されている具体的な助言と、
現時点で我々の知っている情報、そして「私ならどうするか」を話しました。
残念ながら、テロのリスクは今後も、恐らく無くなりません。テロの語源である、
[terror : 恐怖]、つまり恐怖で人の心を支配しようとする卑劣な行為がテロです。
テロに対する警戒をしている政府が何らかの情報に基づいて注意喚起情報を
発信した場合、テロリストは実行の可能性を探ります。なぜなら、警戒状態の中で
テロを成功させることができれば、「お前たちの警戒など役に立たない」という
恐怖のメッセージを流布できるからです。
しかし、反面公的機関の持つ防衛力や攻撃力に比べて戦闘能力の低いテロリストは、
警戒中の中でテロを起こそうとすれば、失敗の可能性も高まり、それは戦力を削がれる
ことであると共に、一般大衆に対して、恐怖とは逆のメッセージを送ることになります。
暴力や恐怖で人を操ろうとする卑劣な行為に対して、我々はどう対応すれば良いのか?
私は、こう思います。「恐怖に心を支配されることなく、自分がすべき普通の生活を続ける。
注意喚起が出されるたびに、検問等が強化され多少不便にはなるが、これは防衛のための
行動と理解して、自らもここに書かれているような備えをする。」つまり、見えない恐怖に
自分の心を支配させず、しかし油断せず防衛には常に留意する。
根本解決はできないのか?数千年にわたって繰り返されている憎しみの連鎖の産物
であるテロ行為ですが、私は、解決の可能性はあると思っています。
私が住んでいる広島市は、1945年に一発の原爆によって14万人以上が殺されました。
しかし私たち広島市民には、「いつか機会があればアメリカに復讐してやろう。」という
気持ちはありません。私たちは、「こんなに悲しい行為は、もう止めようじゃないか。」と考え、
先日アメリカのオバマ大統領が広島の平和公園を訪れた際には、市民は大いに歓迎し
被爆者は、「一緒に核兵器のない世界を作りましょう。」と、大統領に語りかけました。
テロを無くするためには、「一緒に憎しみの無い世界を作り上げよう。」という
協調の呼びかけ、それが最初の一歩ではないか、と、私は思います。
広島市民である私は、「そんなの無理」とは思いません。「とても難しい」という事は、
「もしかするとできるかもしれない。」と、同じ意味だと私は思っています。
文責:吉川浩司