2020.3.16 閲覧数:2,773
世界各地で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って様々な施策が出されています。
先日、このウエブにてアメリカの大学・語学学校の現状をお伝えしました。
354. コロナウイルスに対するアメリカの大学の対応について”as of March 13, 2020”
https://www.americandream.co.jp/2016-02-16-04-52-51/325-354-as-of-march-13-2020.html
この後、現在アメリカンドリームからアメリカの大学に留学中の留学生から
質問が寄せられました。
彼の質問は概ね以下のような内容です。
1.現在、彼の通っている大学は春休み中ですが、春休み明けから
すべての授業がオンラインに切り替わるそうです。カフェテリアも
テイクアウトになり、各自の部屋で食事する形式に変更。
また大学内の寮で寮生が集められ、近日中に寮が閉鎖になる可能性が高いので
荷物をまとめておいていつでも寮から出られるように準備せよ、と通達された。
2.これに対して彼は International Student office に今後の対応を相談すべく
コンタクトしたが休み中でクローズされておりメイルにも返事がない、とのこと。
休み明けにオフィスに再度行こうと思うが以下が彼の懸念。
3.このまま寮が閉鎖されずに授業がオンラインになるだけなら問題ないが、
もし寮が閉鎖になった場合、日本に帰ると次の学期にアメリカに帰って来れなくなる
可能性があるので、アパート等を借りてアメリカで生活しながらオンラインの授業を
受けた方が良いのではないか?
これに対して返信した、私からのメイルは以下です。
=======Hiroshi YOSHIKAWA of American Dream, Inc. wrote =======
以下、コロナウイルスに関する懸念のメイルを確認しました。
1.以下のADのサイトに書いているように、現在アメリカの多くの大学で類似の措置が
取られています。
https://www.americandream.co.jp/2016-02-16-04-52-51/325-354-as-of-march-13-2020.html
2.この一連の混乱の中「日本人留学生、あるいは他の学生からの情報」をうのみにするのでなく
International student officeに正しい情報を確認しようとしている姿勢は正解です。
これが一番大切なことです。そして、コロナウイルスに対する措置は日々変化します。
よって一度確認した情報がずっと正しいと思わず、定期的に最新情報をチェックすることです。
3.そのための大切なことが、「大学のどの部署がこの対応についての主要な役割を持っており、
そこの決定がどうやって学生に通達されるのか」を、確認しておくこと。
「e-mailで送られるのか、それとも大学の指定のサイトに告知として挙げられるのか?」
これが分かったら、
「自分のところにだけメイルが不着になる場合」に備えて、友人と、
「大学から重要連絡がメイルで届いた場合は互いに「ウイルスに関する大学からの何月何日付、
何時何分のメイルは受け取った?」とメイルの発信を互いに注意喚起しあうことは、
やっておいて良いと思います。
4.「寮が閉鎖されずにオンラインの授業なら、このまま大学の指示通りにアメリカに滞在」
と言うのはそれで良いと思います。しかし、
「日本に帰ると次のセメスターにアメリカに帰ってこれなくなる可能性があるので、
アメリカで住居を見つけてそこで自分で生活しながらオンライン授業を受けた方が良いのではないかと思っています。」
これに関しては、そうするのが得策かどうかは疑問です。
アパートを借りる等するとカフェテリアもクローズなので自炊の必要性が出てきて、
車が無い中で、どの程度の期間に及ぶか不明の中、買い物や調理器具等の調達の問題も起こり、
万が一、そのアパート内等で感染が発生した場合そのまま隔離される可能性もあります。
もしそうなった場合「大学寮から隔離された場合」よりも「個人的な住居から隔離された場合」
には、日本からの個々の人物の状況把握ははるかに困難になると予測されます。
5.もし近いうちにアメリカを出国して日本に帰国した場合、その後、夏休みに入るので、
仮にFallから通常通りの大学の授業が開講されたとしても、約5か月アメリカを
離れることになります。
この点について注意を要する記述が以下にあります。
在日本アメリカ大使館のページ:
https://www.ustraveldocs.com/jp_jp/jp-niv-typefandm.asp
この一番下、
=======
学業を中断後の学生ビザの有効性
現在、米国外に滞在している学生ビザ所持者は学生相談係(Designated School Officials)に相談してください。更なる詳細はSEVPウェブサイトの「Do Students Returning from Temporary Absences Need New Visas?」(英文)で確認することができます。
=======
上記のリンクに飛ぶと、アメリカ合衆国のHomeland Securityのページに飛び、
そこに現時点のビザルールに関する記載が出ています。
この記載における、今回の帰国は「authorized temporary absence 」になるのか、
それともオンラインで受講している期間は、absenceと数えられないのか?
もし「5か月以上になった場合はビザの最申請が必要となるのか?」それとも
今回は特別措置として現在所有しているF-1ビザでそのまま入国が可能なのか?
(もし再申請となった場合は、問題なく必要なI-20は発行されると思いますが、
その手続きの確認も)
恐らく大学側は、現時点でこれらに明確な回答を出すことはできないと思います。
しかしこう言った箇所に「留学生が信頼すべき公式情報が載っている」という事を認識し、
それらを確認し、それに対する大学側の回答を(現時点で回答不能、という回答も含めて)
確認し、それを記録しておくこと。
その後も定期的に(特に、日本に帰国する際、日本からアメリカへの再入国を準備する時、実際に再入国する時、等々)状況をチェックし、その記述をプリントアウトする等して、「こういう根拠の元に私は行動した」という判断と行動の正当性が立証できる準備をしておく。
これらが現時点およびこれからの行動において必要なことだと思います。
6.僕は、現時点では「アメリカにアパートを借りる等して留まる」よりも、もし大学から
「留学生はいったん自国に帰国せよ」という指示が出たら、それに従う方が良いと思います。
その際は、上記5.の項目に注意を払いながら。
以上です。
吉川浩司
Hiroshi YOSHIKAWA
President
American Dream, Inc.
追伸:アメリカンドリームから留学したAD生の皆さんは、
CAPのオリエンテーションで、「パスポート・ビザについて」の項目でお渡しした、
「アメリカ『学生ビザ』申請について」の資料の6ページに関連内容が記載されています。
併せて確認しておくと良いと思います。
=========End of copy =========
上記は2020年3月16日時点の弊社(株)アメリカンドリームの代表者としての見解です。
今後、事態が変化し続ける中で、この見解も変化することが予測されますが、
留学の専門家として、「現在、私はこう考えます」という見解を出すことが、
少しでも現地での留学生の孤立や、不確定情報による戸惑いや混乱を防ぐことに役立てば、
と思い、ここに記載しました。
敢えて言葉を添えるとすれば、それは以下のようなメッセージです。
「仮にこの状態が大幅に長期化したとしても、オンラインによる授業の継続は可能であり、
人類は必ず新型コロナウイルスに対抗する薬を開発、この流行への対抗措置を取り、
事態を収拾させます。その後、事態は必ず通常状態に復帰します。
そして君達留学生は、元通り、一人一人の目標に向かっての有意義な日々を取り戻します。
その時までいかなる状況の変化があっても、目標への歩みを止める必要はありません。
状況の変化に合わせて、少し歩き方を変えつつ、目の前にある、「今すべきこと」に
ベストを尽くしてください。これはあなた自身のかけがえのない人生です。
希望を胸に、さあ進め留学生達!!」
(株)アメリカンドリーム
代表取締役 吉川浩司
以下、参考リンクです。
【関連情報ウェブサイト】
外務省:海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
内閣官房:新型コロナウイルス感染症の対応について
https://www.cas.go.jp/
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/
世界保健機構(WHO):
新型コロナウイルス感染症に関する概要
https://www.who.int/health-topics/coronavirus